昭和の喫茶店 2軒目

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昔ながらの喫茶店で美味しいコーヒーと共に過ごす時間は心温まる。京都市中央市場の界隈は素敵に年を重ねた昭和時代の建物が多く残る。市場に隣接した62番外という古びたビルの中、そこに「2軒目」という風変わりな名前の喫茶店がある。ビルの奥まったところにある穴倉のような店である。お店は高齢の女性店主が一人で切り盛りしている。店内は茶色を基調とした全15席ほどのこじんまりとした空間で、カウンターとテーブル三脚が置かれている。一見するとなんの変哲もない昭和の喫茶店であるが、カウンターの奥に設置された人の半身ほどあるガラス製のコーヒーの抽出器具が印象的だ。そこではコーヒーが絶え間なく一滴一滴と水出しで抽出されている。そのコーヒーはすっきりとした中にもコクがあり美味である。店主は奥ゆかしいが、話してみると茶目っ気のある方で、接客から人となりがじわりと伝わってくる。高度にシステム化されたチェーン店の接客にはない温かみを感じる。昭和の庶民の生活を支えた個人商店が人知れず消えていく平成の終わり、これからもできる限りたくさん足を運びたいものである。

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